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あおすじあげはと犬キチの 盆栽展


 
盆栽写真
杜松です。
ネズ、ハイネズ、ネズミサシと言われています。
杉の葉を長くして先端を鋭い針とした感じで刺さると痛いのです。
山林の大木の下にまぎれて生えています。
ほとんど主木にはなりません。
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杜松がすごいです。
杜松の自然樹形は地表を這うようにべったりした樹形や、幹が真っ直ぐに立ち上がる直立した樹形があります。
また両者の中間形をしたものも多く、固体による変形が大きいのです。
盆栽の素材は山採りがほとんどなくなりました。
幸い杜松は挿し木の活着率が非常に良いので挿し木から色々な樹形を作ることが出来ます。
適期は梅雨時です。
杜松は暖かい時が活着が良いのです。

皮を剥いで神や舎利を作る。
5月頃が皮を剥ぎ易い、夏になると皮が剥き難くなり作業が進まない。
木は皮部と木部で出来ている。
そしてその境が形成層です。
木部には導管があり、根から水分や養分を吸い上げている。
また、セルロースが固くリグニンで固められていて倒れないように保持している。
導管は根から先端まで一本で繋がっているのではなく長く送水する時にポンプを何台も連結して送水するように10m以上でも送ることができる。
一気圧の元では10mまでしか水柱ができないが、導管を連結したり葉の負圧や毛細管現象や根の浸透圧などで木はもっと高く育つ事ができる。
皮部には篩管があり、葉で光合成した糖分を下部に送っている。
幸か不幸か糖分が表面にある皮部を通ることで昆虫などが養分を取りやすくなっている。
形成層が皮と木を細胞分裂して作っている。
そして、細胞分裂する状態が皮剥ぎが容易か難しいかの分かれ目であり、生育適温か否か、春材を作っているのか秋材を作っているのかで変わる。
そこで、春に盛んに水揚げを行ない形成層が水分豊富になり春材と糖分を流す篩管を細胞分裂して作り出す。
夏には春材を作り続けるが、養分の生産は春ほど急激な増加を見込めなくなり篩管の増加率は減少する。
秋には固い年輪になる秋材になってくる。
このような経過を辿ると思われ、剥がれ易さに変化がでるものと思われる。
皮を剥くのは春に限ると言いたいが、春は他にも仕事があって他の季節でもよろしいと言う事です。
これを経験から4月後半から5月後半まで剥ぎ易いシーズンと言えるようです。

神や舎利は皮を剥いで部分的に枯れ木とするのでその部分は腐っていきます。
生きていれば防腐成分によって保護されていますが神や舎利は木材腐朽菌によってしだいに朽ちていきます。
木材は形成層で作成されてから20年位で死滅しますがこの時に導管や組織内が樹脂や防腐効果の高い成分で固められます。
そして木の形状を維持します。
若い木部の皮を剥いで神や舎利とした場合は樹脂や防腐効果の高い成分が無く短時間で腐ってしまいます。
小品盆栽のように数年しか経っていない苗木の神や舎利はすぐに芯まで腐り無くなってしまうのです。
早く作る小品盆栽と神や舎利とは両方共手に入れるのは難しい相談です。
樹脂や防腐効果の高い成分も光合成で作られるので20年前に木部を作った時の葉の量と比較して充分な葉の量が無いと埋めきれずスカスカになってしまいます。
これは畑で培養した苗木を持ち込んでも駄目だとも言えます。
神や舎利とは簡単に得られるものではありません。


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