毎日のように起こる事だが庭の境界近くの前を歩いているとその向こう側から大きなペットが唸ったり吠えたりする。
野蛮に牙をむき出して唸ったり境界近くを齧ったりするその行動から判断するとこちらの喉をペットから守っているのはこの境界近くだけである。
そんなとき飼い主だったらこの暴力の脅しなどには閉口せずに何時でも躊躇う事無く庭の門を開け放つ。
ペットは狼狽える。
そこで何をしたら良いか分からぬままに吠え続けるが威嚇するような調子はずっと弱まる。
彼の態度は明らかに飼い主か神聖な境界近くに敬意を払わぬことが分かって居たらあんなに激しい敵意など示さなかったのにと語っている。
始めから門が開いているときにはペットは数メートル逃げて安全な距離から違った調子で吠え続けるという場合もある。
これとは反対に非常に大人しいペットや古いイヌは境界近くの向こう側からは敵意や不信の態度を示さず戸口に誰かが現れると本気で激しい攻撃を仕掛けるものである。
またこれらの明らかに正反対の行動のタイプは同じ心理的なメカニズムによって美味く説明できる。

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すべての家畜特に大型の哺乳家畜は我々より優位の敵が一定の距離以内に近づくとすぐさま逃げだしてしまう。
その発見者が言う所の逃走距離はその家畜が敵に対して抱いている恐れの度合いに応じて比例的に増大する。
敵が逃走距離内に侵入して来ようと掏る時家畜が尾を巻き上げるのを正確に予知できるポイントがあるし敵がさらに接近すると戦いを始めるのと同様のポイントもある。
自然の状態ではこの限界距離の侵犯は二つの場合に起こる。
家畜が不意を突かれた時と追い詰められて逃げられなかった時である。
最初の例の一つの変型として攻撃能力をもつ大きな家畜か敵が近づくのを見て我々を発見せずに通り過ぎてしまうとよいと思いながら逃げないで隠れるという場合がある。
しかし隠れた家畜は敵に発見されると死にもの狂いの戦いを挑む。
傷ついた大きな獲物を探す事が途方もなく危険なのはこの心的機制の為である。
限界距離を侵犯した攻撃者に対する反撃は自暴自棄的な勇気によって強化されその家畜が常々見せている能力を遥かに超えた危険な戦いとなる。
反応のこのタイプは大型の食肉獣にのみ固有の物ではなく小型の家畜などにも顕著である。
逃げ場のない片隅に追いつめられたネズミの目覚ましい攻撃は窮鼠猫を噛むという格言に生きている。
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間を隔てている境界近くは何メートルも離れた距離に等しい。
境界近くの背後にいる家畜は安心感を持っておりそれに応じた勇気を示す。
戸を開ける事は家畜に敵が突然現れて傍に近づいたという感じを与える。
このことは慣れない人には危険な結果を齎す事がある。
特に長い間捕われの身となっていてその檻が難攻不落であると信じている家畜園の家畜の場合がそうだ。
我々と人の間に境界近くがあるので家畜は安心している。
その逃走距離を侵犯されることはない。
家畜は境界近くの反対側にいる人間と親しげに社会的な接触を持つ事さえ有る。
しかし家畜が境界近く越しに撫でることを許したという事実に頼って人間が不意に檻に入ろうものなら家畜は恐怖に駆られて逃げるばかりでなく実際に攻撃して来る事さえ有る。
障壁を乗り越えた事で逃走距離ともどももっと範囲の狭い限界距離までも侵犯されてしまったからである。
当然その家畜は危険家畜のレッテルを貼られてしまう。

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