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あおすじあげはと犬キチの 盆栽展


 

盆栽写真
杜松です。
普通、盆栽の正面は根張りを優先して決めますが、ジン作りの場合はジンの芸を生かすように決めます。 枝枯れの場合で未だ皮が付いていると水吸いがどうなっているか分らないので、枯れた皮を剥ぎ取って状態を見極めます。
枯れ枝の有る木は根も片寄っているので、作業は木をぐらつかせない様に鉢と木をヒモなどで固定して置くと安心です。
丈夫な紙などでしっかり固定すると逆さにして作業する事も出来るので作業が楽になります。
作業は水吸いを切らないようにして枯れた部分を綺麗に剥ぎ生死の境界をはっきりとさせます。
腐ってふかふかな部分は取り除きます。
第一段階はこの様にジンをはっきりとさせることです。
盆栽写真拡大
杜松がすごいです。
長すぎる枯れ枝は適宜短くします。
スパッと切るのではなく、自然に腐れ落ちたようにむしり取ったりします。
シャリも腐れて芯が出てきたように彫刻します。
ささくれさせたり、むしったりと刃物傷を隠します。
その後ジンの部分に石灰硫黄合剤の濃いものを塗ります。
これはジンの白さを強調できますし、防腐効果があります。
作り立てで腐れ具合が欲しい時は塗らずに腐るのを待ちます。

杜松の葉が檜葉となった槙柏は古くはとても面白い技がありました。
山取りの木の幹を短くする方法です。
槙柏の幹が舎利となって小根の方に向かって細くなります。
これはバランスも悪く、幹の下半分は切り捨てたいと思う素材の下半分を短縮するのです。
舎利は生きている部分ではなく木体の保持の役割ですから切り捨てても生死に影響しないのです。
この事を理解した先輩たちは、短縮したい部分の舎利を削り取りしなやかにして巻き取り鉢の中に埋め込んでしまったのです。
これで幹が形良い長さに納まってしまいました。
古木は幹からはなかなか根が出なかったのです。
杜松の山木も土中の根も舎利となっていて長く伸びた先に小根があります。
この小根まで大切に掘り取ってくれば枯らさずに持ち込めるかもしれません。
太い舎利付きの根は厚い皮があり幹と同じようになっているのでここからの発根を期待するよりも短縮の裏技を使うか山で根接ぎを施すか、ただし根接ぎしても移植の時に外れてしまう恐れがありますからクギを打つなどで固定します。


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